靖幸

はああ、逮捕されてしまった。
近年は「岡村ちゃん」と呼ばれているようだが、自分が好きだった時代には気持ちは「靖幸」だった。ライブも行って、「やすゆきいいい」と叫んだりした。かなり本気で好きだった。ファンクラブも入っていたし(当時は)。
1枚目のベストアルバム「早熟」の後、アルバム「家庭教師」である種頂点を迎え、その後いろいろもがいていたように見えた。周りも本人も「家庭教師」以上を期待し、求め、なかなか思うようなものができなかったのではないか? と勝手に思っていた。
自分が年を重ねるにつれて、「靖幸」からやや遠ざかり、最近はすっかり自分の中でも「岡村」「岡村ちゃん」と化していた。たぶん「靖幸」と心の中で呼んでいた時代には、もちろん彼と面識はないし、身近にはなり得ない人(自分、田舎にいたし)と認識もしていたのだが、彼の歌は、自分に向かって(一対一で)歌っているような錯覚におちいらせてくれるものだった(昔雑誌の記事で彼の歌について「聴いている一人一人に、渋谷(だっけ?)の真ん中で口説いてるような気持ちにさせる歌」といったようなことを書いてあるのを読んで、「うん、わかる。わかる」と思った)。誰か(男の人)といっしょにいるときに彼の歌を聴くと、いきなり浮気しているような気になって「うーーー、靖幸と他人は両立しない」と思ったりしていた。
というわけで、結婚後は家に夫がいるので、自然と彼の歌は聴きにくくなっていったような気がする。
岡村ちゃんの歌は、誰にもまねできないものだと今も思っている。彼が作った曲は「岡村節」になってるし、言葉の使い方も独特。他人に提供した曲でも、結局本人が歌った方がよかったり、トリビュートアルバムも「本人の方がずーーーーっといいよ」と思って、買ったけど1回しか聴いてないし。
これから後、苦難が続くのだろうが、岡村ちゃん岡村ちゃんのまま、歌っていってくれるといいんだけど。復活を切に願う。