たてまえ

近所で建築中の家で「たてまえ」。
最近はとんとお目にかからなくなっているので、ほんとうに久しぶりのたてまえだ。自分が子供の頃は、わりとよい家(大きい、立派な)を建てている時は毎日のように大工さんの進行状況をチェックしながら、「いつたてまえするかなあ」と予想に予想を重ねていた。そしていざたてまえとなると、必死におもちや五円玉を拾ったものだった。パイナップルを取った大人がやけにうらやましかったっけ。
でも、さっきも書いたように最近はこの地域でもやる人が非常に少なくなってきた。もうちょっと田舎の方の旧家とかだとやってるらしいんだけど。
今日たてまえをやっていた家は、家族に職人さんがいるらしいので、伝統を重んじたのかもしれない。
「今日は棟上げで、おもちなどをまきます」
と建設会社の人がいってまわったこともあり、かなりの人数が家を取り巻き、いまかいまかと待っていた。とくに子供たちは嬉しそう。建設会社の人は「多めにまくものは用意したつもりでしたが、これって足りるでしょうか?」とやや不安げ。自分は、夫と子供を送り出したので自分まで行かなくてもいいか、と冷静さを装っていたのだが、屋根に竹で作った弓が立ったのを目にしてしまい、つい、ふらふらと外へ。「昔はあの弓矢に心を踊らせたっけ」と思い出に呼ばれたようだ。それでもなお、少し離れて傍観していようと思っていたのだが、大工さんが投げる気配を見せたとたん、お隣のおばさんが「ほら、行くわよ」と誘ってくれたので、さらにふらふらと家の側へ。結局、たてまえの魔力には逆らえず。
で、3人合わせると結構たくさんのおもちをもらって帰ってきたので、当然今日の夕ご飯は「もち」。でもまだまだたくさん余っている。まだ暑いのに明日は雑煮? 力うどん?